いつもの昼休憩、いつものようにとりとめもない話をしていると「パイセンって自分の前世何だったと思う?」と後輩に聞かれた。
この手の話題はどこでも割とよく出てくると思うが、私は毎度頭を悩ませる。みんな何をヒントに自分の前世を感じるのだろう。
まずもって魚やイルカなどの水に関わるものは違うと思う。
泳ぐこともそんなに得意ではないし、顔に液体がつくのが苦手だから。
(クロールは人並みに泳げるが、平泳ぎをすると死にかけのカエルの最後の泳ぎと評される)
虫関連に関しては違うと信じたいし、なんとなく無機質なものと自分の前世も結びつかない気がする。
「パイセン悩みすぎ。なんでもいいじゃないですか。それっぽいので。猫とかは?」
「猫かぁ。気まぐれな感じはそうかもだけど、あんなに跳べないし、あんなに伸びないし、何よりありきたりじゃない?これを機に真剣に向き合いたい。」
「いや、どんなスイッチよ」と言いながらも「じゃあ犬は?」と付き合ってくれる後輩はさすがだ。
犬は比較的近い気がする。というか犬”が”人間に割と近い気がする。
犬を飼っていると意思疎通ができているのでは?と感じる瞬間が多々あって、そのたびにこいつは前世人間だったのではないか?と思う。
けれど、犬も猫と同様”ありきたり”な気がするので今回は却下だ。
「え~。ありきたりじゃない前世って何?あれは?鳥とか」
「鳥は前世っていうより願望じゃない?鳥みたいに自由に大空を羽ばたいてみたい。みたいな。」
「じゃあ。虎。パイセン怒ると怖そうだから」
「虎は肉食だからなぁ。なんか肉ばっかり食べてるイメージ。私おなか弱いからそんな食生活してたら一生トイレからでれん」
「いや、怒ると怖そうはスルーかよ。」
怒ると怖そうはね。あながち間違いじゃないしね。何なら怒ってなくても真顔怖いって言われるからね。こちとら怖いといわれるプロなんですよ。と思いつつ、ふと”アスファルトに咲く花”なんて一時流行ったようなワードが浮かんだ。これだ。
私は寒い時期になるとどうにも思うように動けなくなる。
できる限りゴローーーンとしていたいし、家に籠っていたくて外出頻度も減るし、頭もあんまり使いたくなくて大好きな読書ですらペースが落ちる。
(この時期の口癖は、横になっていたいから、「縦になれない」である)
ところがどっこい暖かくなってくると、あれもこれもとやりたいことや行きたいところがむくむくと湧き上がってくる。
湧き上がってきすぎて、1日の時間の短さに嘆き叫びだしたくなる。
読書もしたい、SNSの更新もしたい、YouTube動画作成だってやってみたいし、気になっているカフェにも行きたい。おうちの模様替えもしたいし、かわいい雑貨を探しにも行きたい。
とにかくやりたい!行きたい!で頭の中がミッチミチのパンパンだ。
あんなにギリギリまで寝ていたかったのに、仕事の日だろうがいつもより少し早く起きて、YouTubeを見ながら運動だって始めちゃう。
冬の間さぼっていたことで増えた質量たちとおさらばできて、心も体もすっきりとする。
なんかこれって花みたいじゃない?冬の間、春が来るのをじっと待つ花みたいじゃない?
暖かくなったら活動的になるあたりが、春が来たらうわぁあっと咲き誇る花を連想させないか?
ありきたりでもないし、ピッタリな気がする。
渾身の”前世”ができた。今後同じような質問をされたら”花”と答えよう!
そう思い、後輩に伝えると
「パイセンそれは自分に酔いすぎ。それをいうなら冬眠から目覚めた熊とかでしょ」と言われ、確かに、、、と思う反面”花”ほどのインパクトはないな、、、と残念ながら”熊”は不採用となった。
あれから数日、ふと思い出すたびに自分の前世を考える。
私はまだ自分の”前世”なるものをうまく答えられずにいる。

